We are what we eat(わたしたちは食べたもので出来ている)と言われている通り、病気の予防や不調の改善の最大の対策は「食事の仕方」にあります。つまり、食事の仕方を変えることで、健康的になり結果的にパフォーマンスを上げることが出来るのです。

多忙なビジネスパーソンこそ仕事でもプライベートでも活躍するためには、ただやみくもに働くのでは無く、心身の健康管理は必須です。今回は心身共に健やかになり、仕事のパフォーマンスにも繋がる食事術に迫っていきます。

血糖値スパイクが心身の不調を呼び込む

食事がパフォーマンスに影響する大きな要因の一つは血糖値スパイクにあります。この血糖値スパイク(血糖値の乱高下)とは、食後に急激に血糖値が上がることを言います。血糖値が急上昇することで、自律神経にも影響し、食後の眠気やだるさやイライラ、集中力の低下を引き起こします。やる気の低下や感情の起伏は、仕事におけるパフォーマンスにも大いに影響を及ぼします。

血糖値スパイクを未然に防ぐには、糖質の摂取量を日頃から意識した食事に変えることがポイントです。

  • ご飯やパン、うどんなどの炭水化物を少なめにし、おかずで補う
  • コーラやジュースの糖分の多い飲み物を水に変える
  • いも類(じゃがいも、さつまいも)は野菜のなかでも糖質が多いので量に注意する *100gあたりの糖質量:ご飯38.1g、さつまいも29.2g、じゃがいも16.3g
  • ケチャップやソース、焼肉のタレといった糖質の多い調味料は少量にするか、塩、醤油、マヨネーズを代用する

糖質が多いと、血糖値が上がりやすく、血糖値を下げるためにインスリンが多量に分泌されます。するとその反動で低血糖状態になってしまいます。普段の食事習慣や間食など無理のないところから意識してみましょう。


朝食欠食が血糖値スパイクに影響を与える

健康意識が高まる昨今で、朝食をとらずに1日1・2食になる食事習慣「朝食欠食」については、血糖値スパイクに大きな影響を与えることがわかっています。そもそも就寝中には血糖値が下がった状態です。そこで朝食を食べずに空腹の状態で昼食を食べると、体がすぐに栄養を吸収しようとし血糖値が急激に上がってしまうのです。

更には長い空腹状態の反動で、ついつい昼食を食べ過ぎてしまうという傾向もみられます。低血糖状態はイライラや怒りっぽさを招くため、空腹時には仕事のパフォーマンス低下に繋がります。

実際の事例として、Yahoo株式会社では社員の健康作りをサポートするため2017年から社員食堂にて朝食の無料提供を始めています。利用する社員の中には午前のパフォーマンスに変化を感じている人もいるようです。Yahoo株式会社はこのような健康経営の側面から評価され、経済産業省「健康経営銘柄2019」に選定されています。

※参照元:農林水産省 健康寿命延伸につながる食育の推進

このように朝食の時間を確保することは、血糖値スパイクを予防し、健康的な身体作りに役立ちます。朝食にはパンとコーヒーなどの糖質単体ではなく、野菜やゆで卵、納豆、バナナなど手軽なものでも良いので彩りをプラスした朝食を食べるようにしましょう。


「食べ方」「選び方」「間食」が血糖値の上昇をゆるやかに

 

血糖値スパイクを防ぐ方法には「食べ方」「選び方」「間食」が鍵となり、理想的な「食べ方」には、以下のような順番があります。

ポイント1「食べ方」は順番と咀嚼を意識する

  1. 野菜
  2. 汁物(味噌汁やスープ)
  3. メイン(肉や魚)
  4. ごはん(パン)

食べ初めには野菜で食物繊維を摂り、糖質の吸収を抑えます。そして汁物で身体を温めてから、メインのおかずを味わいましょう。特に肉や魚に多く含まれるたんぱく質や脂質は消化に時間がかかるので血糖値が上がりにくいためです。そして最後に糖質であるご飯やパンを少なめにして食べるように意識します。

さらに、「よく噛んで食べること」も重要です。咀嚼の目安は1口30回が理想的です。現代人の1回の食事での咀嚼数は弥生時代のおよそ1/6と言われています。昔は干物や雑穀など歯ごたえのある食事をメインにしていました。現在は柔らかく食べやすい食事に変化したことが要因の1つとされています。また食事の変化は、虫歯や肥満といった健康問題に繋がります。咀嚼を意識することは満腹感を感じやすく食事の量を抑えることができ、脳の活性化にも繋がります。

ポイント2「選び方」は副菜・炭水化物を工夫する

食事の「選び方」のポイントは「副菜や小鉢の付いたメニュー」「炭水化物は色物を」の2点です。丼ものや麺類は糖質が多いので避け、葉物野菜や海藻、キノコ類などの食物繊維が豊富な副菜と一緒に食べる。ご飯は玄米へ、パンは全粒粉やライ麦に変えると噛み応えが増し、更に食物繊維やミネラルを摂取できるので食事のバランスが良くなります。

ポイント3「間食」は質で補う、または量を減らす

次に「間食」は、昼間の活動時間に噛み応えのある物やたんぱく質を摂取するようにしましょう。ナッツやフルーツ、チーズ、ゆで卵が理想ですが、毎日でなければ、おせんべいやお菓子を、いつもの半量にして食べてもOKです。また、「疲れたときこそ甘い物」と思って、長い会議が終わった後にチョコレートなど甘い物をついつい摂取してしまいがちですが、これも血糖値スパークを招き、さらに疲労感が増す原因になるのでNGです。「疲れたときこそ糖質OFF」そんな間食を選んでみてください。

食後には少しだけ身体を動かすことが理想的です。10分程度のヨガやストレッチなどの軽い運動で十分です。テレワーク中なら簡単にできますが、出勤の日はランチ後にお店から会社まで、もしくは少し遠回りしてウォーキングして帰るのもおすすめです。ウォーキング中に好きな音楽を聞いてリラックスしたり、新しいアイデアも浮かびやすくなるかもしれません。

そして「コーヒー」についてはストレス緩和の効果があり、仕事のお供に適していることが証明されています。2009年に国立国際医療研究センターの研究者によって「コーヒーのストレス緩和効果が糖尿病発症のリスクを低下させる」という研究結果を発表されています。またコーヒーには脂肪燃焼効果が注目されているなど、その健康効果については多くの肯定的な研究結果が発表されています。ただし、コーヒーを飲んだ直後に血圧や血糖値が上昇するという指摘もあるので、適量にしておくのが良いでしょう。ちなみに、FDA(アメリカ食品医薬品局)が推奨しているカフェイン摂取量は1日400mgまで、カップ3~4杯程度です。

健康を手に入れるための食事術のポイント「ゆったり&腹八分」

「パフォーマンスを高める」とは、心身ともに健やかで仕事に集中できる状態であることが必須条件です。パフォーマンスを高めるためには血糖値スパイクを防ぎ、「食べ方」「選び方」「間食」に注意をして健康な身体を維持することが大事です。そして、食事はゆったりと時間をかけましょう。早食いをせずに、よく噛んで味わいながら食べることです。咀嚼により、満腹中枢が刺激され「腹八分目」の食事で満足し、さらに脳の血流が良くなり脳が活性化することで、集中力とやる気を各段とアップさせてくれるはずです!

仕事やプライベートでパフォーマンスを高めたいときには、ただ頑張るのではなくまずは自分の健康を見直すことが大事です。その中でも食事は毎日欠かせない生活習慣です。まずは「食べ方」「選び方」「間食」を意識することがポイントです。健やかな心と身体を手に入れて、仕事もプライベートも存分に楽しみましょう。

参考書:牧田善二、著「医者が教える食事術 最強の教科書」(ダイヤモンド社)

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著者:小川 彩
プロフィール:フリーのヨガインストラクターとしてフィットネスクラブを中心にヨガ、ホットヨガのレッスンを担当。ヨガを中心にオーガニックや食についてウェルネスライターとしても活動中。現在、アーユルヴェーダやRawスイーツについても勉強中。
保有資格:JYIAヨガインストラクター2級
趣味:キャンプ、Rawスイーツ作り

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